私には未だに引きずっているエントリがあります。
「こいつは誰だ!」- 小島プロダクション公式ブログ「コジブロ」
なぜ、公式ブログが始まって3つ目の記事で、和平の開発中画像を提示したのかどうか、です。
まず一つ考えられるのは、「ファンへの謎かけ」です。
MGSPWに関する重要な情報はほぼゼロと言っても良いこのタイミングで、PWでの完全な新キャラクターの情報を出すのではなく、過去のシリーズに登場しているキャラクターに非常に似ている(想像力をかきたてられる)キャラクターの情報を公開する。
それによって、過去のメタルギアシリーズをほぼ全てやっているMGSファンは「サングラス、髪型、銀河万丈…!?これはまさかあの『マクドネル・ミラー』の若い頃では…!?」となり期待が膨らみ、そうでないユーザーは「こいつは誰だ!」のブログ記事のコメント欄のような雰囲気になる。
ここで考えるべき事は、それのどちらが良い、悪いという話ではなく、その情報をブログ上で提示した理由です。
小島監督が編集中のトレーラー映像を写真で撮りwebにアップロードし、一般公開した。この行動はあくまでも“ファンサービス”の一環であり、尚且つ同時に「今後このブログではこういった情報も提供していきますよ」「過去のシリーズも重要になってくる新作なので、是非既に発売しているメタルギアシリーズをやってみてね」という情報を指し示している事が伺えます。
ちなみに後者に関しては、MGSシリーズはいつもだいたいそうなので(知らなくても遊べるけれど最終的にシリーズを制覇して、初めて分かる(深く理解する事が出来る)情報やヒントが多く隠されていることへの暗示、アドバイス)ファンはああ、そうだねと考えられると思いますが。そもそも、あの時期のコジブロを閲覧している人たちは皆、MGSファンだとは思うのですが。
そこで考えるのが、同じように「過去シリーズ登場キャラクター」を指し示したいのであれば、『ヒューイ』であっても全くかまわない、という点です。
容姿は明らかに、ハル・エメリッヒ(オタコン)に酷似している(実際にキャラクターデザイン時には「1のオタコンを描いて下さい」との指示があったそう)上、MGS3にてその存在がグラーニンを通して明かされています。(『アメリカの友人』、グラーニンとの会話中、写真の提示あり。)
事実、「こいつは誰だ!」のエントリがアップされた当時、スネークの声が大塚明夫さんであること以外一切情報がありませんでしたが、その時にヒューイという名前を伏せても、あの容姿のキャラクターデザイン画像を載せ、田中秀幸さんだと明記すればそれだけで同じ効果が得られたように感じられるのです(というのは、その時の最新作はMGS4であり、4のスネークの相棒はオタコンであったからです)。
必ずしも、和平・ミラー(その時は名前は明かされていませんでしたが)である必要はないのです。
ではなぜミラーを提示したか。
ミラーが非常に重要なキャラクターである、という認識をユーザー側に伝えたかったからではないでしょうか。
TGS2009にて、小島監督は和平・ミラーについて「MGS1にて登場したあのマスター・ミラーと同一人物です」「ミラーは僕にとってとても大切なキャラクターです」と発言しています。
そして、こちらの記事(水樹奈々ら豪華声優陣が『ピースウォーカー』を語る!-ファミ通.com)では、和平・ミラーを演じた杉田智和さんによると、「ミラーはスネークにとって相談役でもあり、命令を受ける役でもあり、年齢が離れていても親友のような不思議な立ち位置の人間として登場します」とのこと。
ネイキッド・スネークの交友関係は、多くは明かされていませんが非常に限られたものとなっていることは明らかです。
その限られた中で、いつ頃ミラーと出会い、親交を深めていったのかは謎です。
出会ってから二人で一体どのような会話をし、心を開き、打ち解けていったのか。
トレーラーではやたらと「俺達」「二人」等、スネークとミラーがふたりで軍隊を作り、まとめ上げてきた部分が強調されています。
また、MGS3で無線サポートをしていたパラメディック、シギント、ゼロ少佐とはスネークイーター作戦後、連絡をとっていないこともOPSで明らかになっています。スネークの人間関係ははっきりしない部分も多く、一概には言えませんが軽い気持ちですぐに人と付き合うことはしない人物だと考えています。
彼は、スネークイーター作戦終了とともに全ての人に絶望した。それまで培ってきたどんな信頼も、どんな感情も投げ出し、彼には何もなくなった。
その衝動をもぶつける相手さえ存在しなかったスネークに、なぜ和平は手を差し出したのか。
逆に、なぜスネークは、和平と共に軍隊を築きあげていく道を選んだのか。
「どうした、カズ」
スネークのそのフランクな呼び方に、スネークが胸に秘めた、和平への感情その全てが詰まっていると思うのです。